システム関係に携わる個人から見た小学校プログラミング教育の手引き 感想とまとめ
目次
- 1. 小学校プログラミング教育の手引き
- 2. 手引きの要約
- 2.1. なぜ小学生にコンピュータ教育なのか?
- 2.2. 小学校プログラミング教育で育む力
- 2.3. 企業・団体や地域等との連携「外部の人的・物的資源の活用」の考え方や進め方
小学校プログラミング教育の手引き
初見解と興味が出た箇所
- 小学校プログラミング教育の手引き 第一版 平成30年3月版
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/30/03/1403192.htm - 小学校プログラミング教育関する概要資料
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/03/30/1375607_01.pdf
疑問
- 学習の中に取り入れる意義
- コンピュータの本質的なところを教えることができる先生がいるのか?
- 教材やインフラの環境整備は整っているのか?
企業が助成金目当てでロクでもないマシンを売りつけるようなことだけはして欲しくない、普通のコンピュータに触れる環境をちゃんと構築してほしいと思う。
その点macはいいタイミングでipadや学校系のサービスを提供してきた、私はオープンソース派なのでLinuxやLibreofficeなど汎用的な考え方ができる教育の仕方というのを推したい。
個人的に興味が出た箇所
- 企業や・団体と連携・協力して教育を実施することを期待
- コンピュータを用いない授業は望ましくないため、設備等に使うため年間1800億円の補助が発生する
- プログラミング言語や教材はビジュアル型プログラミング言語
勘違いしそう
- プログラミング教育はプログラマを育てるものではない
- 物事の考え方、試行錯誤して問題を解決する力を育てるため
- プログラミングという科目ができるわけではない
- 総合的な授業や算数・理科などの中で有用であれば行う
手引きの要約
なぜ小学生にコンピュータ教育なのか?
- 背景: 至るものにコンピュータが内蔵され情報を適切に選択活用して問題を解決していくことが不可欠な社会が到来
- コンピュータを知るためには、仕組み=プログラミング、学習することによって主体的に活用することにつながる
- 子供の可能性と創造力の発掘
- 2020年度から小・中・高学校においてもプログラミング教育の導入が始まる
小学校プログラミング教育で育む力
1. プログラミング教育のねらい
- 情報活用能力を構成する資質・能力をそだてる
- 情報社会が情報技術によって支えられていることを理解する
- プログラミング能力そのものをねらいとしていない
2. 小学校プログラミング教育で育む資質・能力
- 知識及び技能
- 問題の解決には必要な手順があることに気がつくこと、コンピュータ自体の取得をねらいとはしない
- 思考力、判断力、表現力等
- 自分が意図する一連の活動を実現する動きの組み合わせをしたら良いのか、どのように改善すれば意図した活動に近づくのかを理論的に考えていく力
- 学びに向かう力、人間性等
- コンピュータの動きを、より良い人生や社会づくりに生かそうとする態度
- 知識及び技能
- 情報活用発信の仕組みがブラックボックス化している
- コンピュータを動かすためには必要な手順があることに気がつく
有識者会議の小中高で学ぶ知識・技能
- 小 : 生活でコンピュータが活用されていること、問題の解決には必要な手順があることに気がつく
- 中 : 社会におけるコンピュータの役割や影響を理解、簡単なプログラムを作成できる
- 高 : コンピュータの動きを科学的に理解する、実際の問題解決にコンピュータを活用できる
思考力、判断力、表現力等
- 発達の段階に即してプログラミング的思考を育成すること
- プログラミング的思考とは?
- 自分が意図する一連の活動を実現するために、組み合わせ、試行錯誤を繰り返し改善を繰り返す論理的な考える力
- プログラミング的思考例
- コンピュータにどのように動かせたいのかの意図を明確
- 順序を考える
- コンピュータを動かす命令に置き換える
- 命令の組み合わせ
- 組み合わせを試行錯誤することによって改善を考える
- 各教科の指導を通じてプログラミング的思考を育成
- 思考力、判断力、表現力等は短期間の授業で身につけるものではない
- 各教科の指導内で計画的に取り入れて行くことが必要
学びに向かう力、人間性等
- コンピュータを使った良い社会
- 主体的に取り組む態度
- 他者との協業
- 情報モラル
3. プログラミング的思考と情報活動能力
- 情報活用能力は学習の基盤となる資質・能力として位置づけ
- 情報を得る
- 整理・比較
- 発信・伝達
- 保存・共有
- 情報モラル、セキュリティ関する資質能力
4. プログラミング教育のねらいの実現に向けて
小学校プログラミング教育で育む力
- プログラミング的思考を育む
- 「気づき」「態度」 プログラムの動きや良さ、情報社会がコンピュータ等の情報技術によって支えられていることなどに気づくことができるようにするととともに、コンピュータ等を上手に活用して身近な問題を解決したり、より良い社会を気づいたりしようとする態度を育むこと
- 各教科等での学びをより確実なものとすること
- プログラミングに取り組む
- コンピュータを活用するおもしろさ
- 物事をなし遂げたという達成感を味わうこと
- 活用に対する意欲を喚起する
学習活動に意欲的に取り組むことによって他の教科の学びも充実することを期待
自らが意図する動きを実現するために試行錯誤することが極めて重要
カリキュラム・マネジメントの重要性
- プログラミングによってどのような力を育てたいのか明らかにする
- 必要な指導内容を教科横断的に配列
- 計画的、組織的に取り組む
- 育てたい力や指導内容の配列などを見直す
複数の教科・学年を通して情報活用能力を育成することを狙いとする
教育委員会が中心となって支援しリードしていくことが求められる
外部の専門家 (企業・団体や地域等)
- カリキュラムは教師
- 企業や・団体と連携・協力して教育を実施することを期待
コンピュータを用いない指導の考え方
- コンピュータを用いない指導は望ましくない
プログラミング言語や教材選定の観点
- ビジュアル型プログラミング言語
- マウスやタッチ操作によるプログラミング
- 視覚的に把握しやすい、文法を気にすることがない
- テキスト型のプログラミング言語は興味・関心のある児童のみ
- カリキュラムとして効果のある児童に負担のない言語を選択する必要あり
5. プログラミング教育の評価
- プログラミングのみで評価・評定をするものではない
- 意欲的に育みたい力を明らかにしてそれに向かって取り組んでいる意欲的な点を評価
- 目覚ましい生協の見られる児童には次の機会を与えて学びをより深めるようにするのが望ましい
各教科等の目標・内容を踏まえた指導の考え方
学習の分類例
- A. 学習指導要領に提示されている単元等で実施するもの
- B. 学習指導要領に例示されてはいないが、学習指導要領に示される各教科等の内容を指導する中で実施するもの
- C. 各学校の裁量により実施するもの
- D. クラブ活動など、特定の児童を対象として、教育課程内で実施するもの
- E. 学校を会場とするが教育課程外のもの
- F. 学校外でのプログラミングの学習機会
A,Bは必須
Cは学校の裁量により行うもの
Dはクラブ活動などにより特定の児童に行われるもの
E,Fは地域の企業・団体において相互の連携協力を強化する
各教科の指導例の対象範囲
– 算数
– 理科
– 音楽
– 総合的な学習の時間
– 特別活動
– その他
A 学習指導要領に例示され実施するもの
- プログラミングで正多角形の書く(算数 5学年)
- 身の回りの電気の性質や働きを利用した道具があることをプログラミングで学習する(理科 6学年)
- 情報を研究課題に設定した学習場面(総合的な学習の時間)
B 例示されているものではないが各教科の内容を指導する中で実施するもの
- リズムパターンを組み合わせて音楽を作ることをプログラミングを通して学習 (音楽 3-6学年)
- 課題について研究したことをプレゼンテーションする(総合的な学習の時間)
C 各学校の裁量によって実施
- プログラミングに関する一定の知識や技能
- 教科の課題をプログラミングを通して解決する
- 各教科の学習を元にプログラミングを通して表現する
- プログラミング言語やプログラミング技能の基礎の学習
D クラブ活動など特定児童を対象
- オリジナルアニメーション
- 言語などの取得
- 発表会などへの挑戦
- 企業との連携
企業・団体や地域等との連携「外部の人的・物的資源の活用」の考え方や進め方
- 企業・団体や地域と連携して協力することは有効「人的・物理的」
- 教員研修の支援や事業支援を依頼
- 児童への講師「常勤・非常勤、ゲストなど
- 多様な取り組み方がが考えられる
- 大学等の連携
- NPOとの連携
- 学校放送番組の活用
企業との連携
- 教師が質の高い授業を実施していくための方針や計画作り
- プログラミングツールの使い方などをゲストティーチャーとして指導
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